1996年当時、私は大蔵省銀行局で調査課長を務めていた。橋本龍太郎政権の金融ビッグバンを受け、財政と金融の分離(財金分離)のあり方を検討していた。財金分離は、6850億円の公的資金を投入した95年の住専(住宅金融専門会社)問題が直接のきっかけだ。96年12月に総理府(現内閣府)の中に金融監督庁の設立準備室ができ、私は97年7月に設立準備室主幹に就いた。