
Microbiota‑mediated colonization resistance: mechanisms and regulation
Citation
Nature Reviews Microbiology, vol. 21, pp. 347–360 (2023)
論文の要約
本レビューでは、ヒトや動物の腸管に存在する常在微生物叢が、病原体の侵入・定着を阻止する「定着抵抗性(colonization resistance)」のメカニズムとその調整方法を分子・生理学レベルで整理している。
定着抵抗性の機構解析
微生物間の競合や抗菌物質生産、栄養競合、宿主の免疫応答誘導などを通じて、病原体の生着および増殖を抑制する多層的な防御システムが解説されている。
病原体側の回避戦略
病原体はバイオフィルム形成、抗菌化合物分解、免疫抑制作用を持つエフェクターや型切り替え(phase variation)を利用することでこの抵抗を突破しうることが示されている。
ホスト・シグナルとの相互作用
宿主由来の免疫因子(IgA、ケラチンなど)と常在菌の相互作用が、定着抵抗性の維持・強化に寄与していることが明らかになってきた。
環境・薬剤の影響
抗菌薬や非抗菌性薬剤、食事変化、ストレスなどの外的要因が微生物叢の均衡を崩し、定着抵抗性の低下を通じて感染リスクを高める可能性がある。
治療・予防への応用構想
病原体侵入の防御として、プロバイオティクス、バクテリオシン製剤、微生物群移植などの応用が期待されており、個別化医療にも対応可能な戦略が検討されている。
本レビューは、腸内常在菌が担う病原体防御機能を分子レベルから全体相へとつなぐ視座を提供しており、感染症予防、抗菌薬合理化、微生物介入治療の設計に資する内容となっている。
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