
今回のエピソードでは、オーストラリアのバーチャルパワープラント(VPP)を手がかりに「蓄電池は誰のために動くのか」を考えます。
南オーストラリア州ではじまった SA VPP はテスラが着手し、現在はAGLが運営。公営住宅に初期費用なしで太陽光とPowerwallを設置し、電気料金を市場より約25%低く提供するモデルが注目されています。発電所停止や山火事による送電障害時にも系統安定化に寄与してきました。
一方でVPPの普及は必ずしも思ったように進んでいない部分もあります。そのカギとなるのが「ソーシャルライセンス」。ニューサウスウェールズ大学などの研究チームによる調査では、すでに太陽光・蓄電池を導入している世帯は主に「エネルギー自立(停電時の安心や電力会社からの独立)」を重視する一方、未導入世帯は「経済的メリット」による参加動機が相対的に強い傾向が示されました。
外部による蓄電池の制御を受け入れる条件として、コントロール感(必要時に離脱できる権利)、運用の透明性と公平性、そして信頼できる運営主体であることが重要です。
日本での展開に向け、技術・経済の設計だけでなく、こうした動機と条件の差異を踏まえた社会的対話を組み込むことが求められます。
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—Production: Shota FURUYA
Intro: I've Forgotten the Words (Remastered) https://suno.com/song/506b5209-d829-4fc3-a98e-5ee2f605565b
Outro: Bringing the game back (Remastered) https://suno.com/s/loHdOfoQ8KwbxxhM
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