
被告人の女性A(当時29歳)は、14歳の時から実父(当時53歳)に長年に渡り性的虐待を受け続け、近親相姦により5人の子供を産み十回の妊娠をさせられる(5人は出産)
幾度も逃げ出せば暴力によって連れ戻され、やがて逃げることも諦めるようになった。そうした中、女性Aにも職場で相思相愛の相手が現れた、父に相談するが、父はA子を監禁し更なる性虐待と暴力をエスカレートさせた。
最高裁大法廷で大貫正一が行った口頭弁論は、一部を抜粋。
刑法二〇〇条の合憲論の基本的理由になっている『人倫の大本・人類普遍の道徳原理』に違反したのは一体誰でありましょうか。本件においては被告人は犠牲者であり、被害者こそその道徳原理をふみにじっていることは一点の疑いもないのであります。本件被害者の如き父親をも刑法二〇〇条は尊属として保護しているのでありましょうか。かかる畜生道にも等しい父であっても、その子は子として服従を強いられるのが人類普遍の道徳原理なのでありましょうか。本件被告人の犯行に対し、刑法二〇〇条が適用されかつ右規定が憲法十四条に違反しないものであるとすれば、憲法とは何んと無力なものでありましょうか
大貫正一