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ボイスドラマ〜Interior Dream
Ks(ケイ)、湯浅一敏、インテリアドリーム
56 episodes
2 days ago
インテリアが家族の絆をつむぎだす・・・ハートフルな一話完結の物語を各前後編に分けてお送りします。(CV/ 男性役=日比野正裕、女性役=桑木栄美里)
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Drama
Fiction
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インテリアが家族の絆をつむぎだす・・・ハートフルな一話完結の物語を各前後編に分けてお送りします。(CV/ 男性役=日比野正裕、女性役=桑木栄美里)
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ボイスドラマ「嫁入りトラックに乗って」後編
ボイスドラマ〜Interior Dream
8 minutes 54 seconds
9 months ago
ボイスドラマ「嫁入りトラックに乗って」後編

30年の時が流れました。

かつて「嫁入りトラックなんて絶対に嫌!」と叫んでいたハルナも、今や一人の母親。そんな彼女の娘・えみりが、名古屋へと嫁ぐ日がやってきました。

「時代が変わったら、伝統も変わる?」
「親の想いは、どうやって受け継がれていくの?」

30年前と今、母と娘、それぞれの立場で迎える“嫁入り”の物語。時代を超えて紡がれる、家族の愛のかたち。どうぞ最後まで見届けてください。

◾️登場人物のペルソナ(※設定は毎回変わります)

・お嫁さん(23歳)=ハルナ・・・東京の大学時代に知り合った彼と婚約(CV:ハルナ)

・お婿さん(23歳)=マサヒロ・・・浅草生まれ浅草育ちの生粋の江戸っ子(CV:日比野正裕)

・嫁の母(44歳)=エミリ・・・名古屋生まれ名古屋育ち(CV:桑木栄美里)

↓

・お嫁さん(30年後=54歳)=ハルナ・・・結婚してから30年目。娘が嫁いでいく

・お嫁さんの娘(29歳)=えみり・・・東京の同棲していた彼と結婚して名古屋へ

・娘の彼氏(27歳)=まさひろ・・・娘と同棲していたが心機一転名古屋で彼女の両親と同居へ

<シーン1/嫁入りの日>

(SE〜菓子まきの音)

エミリ: 「嫁入りよぉ〜!」

ハルナ: 「もう、おかあさん!恥ずかしい!」

エミリ: 「なにが恥ずかしいもんかい。

私もここへ嫁ぐ日は、こうやって母さんに送り出してもらったし、

私の母さんも、母さんの母さんに送り出してもらったんだよ」

ハルナ: 「でも、恥ずかしい」

マサヒロ: 「嫁入りよぉ〜!」

ハルナ: 「あなた!」

エミリ: 「あなた、きちゃだめじゃないの、式の前に」

マサヒロ: 「す、すいません。お二人じゃ大変だろうと思って」

ハルナ: 「おかあさん、なにニヤニヤしてんのよ」

エミリ: 「ううん、思い出しちゃってさ。

私が嫁ぐ日の朝、とうさんの家じゃちょっとした騒動が起こってたんだ」

ハルナ: 「どんな騒動?」

エミリ: 「新郎がいなくなったぞぉ、って」

ハルナ: 「ええええええええ?」

マサヒロ: 「それって・・・」

エミリ: 「そう。いまのあなたと同じよ」

ハルナ: 「おとうさんもおかあさんちに来ちゃったんだ」

エミリ: 「うん。でもうちの親はしきたりに厳しかったから、

”縁起悪い!””式は中止だ!”なんてわめき散らして」

ハルナ: 「おじいちゃん、気が短かったもんねえ」

エミリ: 「おばあちゃんもよ」

マサヒロ: 「はは・・・」

エミリ: 「裏口から、そっと追い出して。

”いいか、見つかったら問答無用で破談だからな”って」

ハルナ: 「おどしじゃん、それ」

エミリ: 「で、こそこそ抜け出してったら、

近所の子どもに見つかっちゃって」

ハルナ: 「あ〜あ」

エミリ: 「それがね。菓子まきの手伝いだと勘違いされて、

ず〜っと追いかけられたんだって」

ハルナ: 「おとうさんらしい」

マサヒロ: 「ボ、ボク、裏口から出ていきます」

エミリ: 「いいのいいの。あなたは誰にも顔なんて知られていないから。

それに、もうそんな時代じゃないでしょ」

ハルナ: 「おかあさん、なんか、熱でもあるの」

エミリ: 「もう〜」

マサヒロ: 「あのう・・・」

エミリ: 「なあに?」

マサヒロ: 「どうして縁側に家具や着物が置いてあるんですか?」

エミリ: 「ああ、あれ?

本当はね、嫁入りトラックがお婿さんちに着いたら

そこの縁側に並べるのがしきたりなのよ」

マサヒロ: 「うちの?」

ハルナ: 「無理じゃん、アパートだし」

エミリ: 「でしょ。

だから、うちの縁側へ置いたの」

ハルナ: 「へええ」

エミリ: 「ご近所さんたちみんなから、

”立派な桐の箪笥だわ”とか”ええもんしつらえたなあ”

とかって、まあ、ものすごい評判よ」

ハルナ: 「おべんちゃら言われて、ご祝儀渡したんでしょ」

エミリ: 「当たり前じゃない。

ほら、あんたたちもこれ持って行きなさい」

マサヒロ: 「なんですか?」

エミリ: 「ご祝儀袋に決まってるでしょ」

ハルナ: 「なんで、そんなもんがいるの?」

エミリ: 「なに言ってんの?

嫁入りトラックは、バックできないって言ったでしょ」

マサヒロ: 「え?」

エミリ: 「だから、細い道とかにさしかかると、周りの車は必ず道を譲ってくれるわ。

そのときに、ご祝儀を渡すのよ」

マサヒロ: 「すっごいなあ」

(※以下カット)

ハルナ: 「おかあさん、嫁入りトラックって、まさかあの路地に停まってる?」

エミリ: 「そうよぉ」

ハルナ: 「あの、ガラス張りのトラック〜?」

エミリ: 「もっちろん。

今日は大安吉日だから、空いてるスケルトントラックを見つけるの

大変だったんだから」

ハルナ: 「中の荷物丸見えじゃん」

エミリ: 「だからいいのよ。

こんなに立派な嫁入り道具を持って嫁ぎます、

って道ゆく人みんなにわかるでしょ」

ハルナ: 「いやだぁ〜、そんなの。私、アパートまで歩いていく」

エミリ: 「ばか言わないで。

あなたは、文金高島田で、嫁入りタクシーに乗るの」

ハルナ: 「嫁入りタクシ〜?」

マサヒロ: 「ひょっとして、トラックの後ろに停まってる黒塗りの?」

エミリ: 「ご名答〜。ツバメタクシー呼んどいたから。

後ろの扉が上に跳ね上がって、カツラのままですっと乗り込めるわよ」

マサヒロ: 「ガ、ガルウィングドアって・・・

ランボルギーニか・・・」

ハルナ: 「やだぁ、またまた目立っちゃう」

エミリ: 「ちょっと、しっかりしなさい。

あなた、名古屋の花嫁なのよ。

もっと、胸を張って」

マサヒロ: 「すごいな、名古屋」

エミリ: 「さあ、もう時間よ。

準備しなさい」

ハルナ: 「わかった・・」

エミリ: 「おとうさんの写真も持って」

マサヒロ: 「僕が持ちます」

エミリ: 「ああ、お願いね」

マサヒロ: 「はい!」

エミリ: 「嫁入りよぉ〜!」

マサヒロ: 「嫁入りよぉ〜!」

(SE〜菓子まきの音と近所のみなさんの拍手喝采)

(※ここだけ、途中から30年後の娘のモノローグへ)

ハルナ: こうして、私は、誉れ高い名古屋の花嫁となった。

時は移り、30年後。

いまはもう、嫁入りトラックも嫁入りタクシーも

なくなっちゃったけど、気持ちは変わらない。

<シーン2/30年後/母の家に住む娘は53歳になり、この日子どもが嫁いでいく>

(SE〜自宅の雑踏/小鳥のさえずり)

えみり: 「ママ、そろそろ時間」

ハルナ: 「もうそんな時間?

早いわねえ」

えみり: 「早くないわよ、ギリギリなんだから」

ハルナ: 「ふふ。早いわよ。時間(とき)が経つのって」

まさひろ: 「こんにちは・・・」

ハルナ: 「来たわねえ、やっぱり婿さんが」

えみり: 「え?」

ハルナ: 「昔はね、式の前にお婿さんが花嫁さんに

 顔を見せるのは縁起悪いって言われてたのよ」

まさひろ: 「そうなんですか、すみません」

ハルナ: 「いいのいいの」

えみり: 「そんなの迷信でしょ」

ハルナ: 「そ、迷信。

大切なのは、あなたたちが、どれだけ幸せになれるかってこと」

まさひろ: 「はい」

えみり: 「幸せよ、思いっきり」

ハルナ: 「そうね。

結婚式、私のわがまま聞いてくれてありがとうね」

まさひろ: 「そんな。わがままじゃないです。

おかあさんに、いろいろ全部用意してもらっちゃって」

えみり: 「ちょっとレトロだけどね」

ハルナ: 「だって、決めてたんだもの。

娘が結婚するときは、菓子まきをやって。

みんなで嫁入りトラックに乗って式場まで行くって」

まさひろ: 「楽しみにしてたんですよ、嫁入りトラック。かっこいいなあって」

ハルナ: 「そう?ありがとう」

まさひろ: 「こちらこそ。ありがとうございます!」

えみり: 「トラックじゃないじゃん。ミニバンでしょ。しかもEVの」

ハルナ: 「だって、トラックじゃ揺れるからダメでしょ。

荷物もあなたも」

えみり: 「ひどい、荷物と一緒にしないで」

まさひろ: 「本当に何から何まですみません」

ハルナ: 「さあ、乗って。

おばあちゃんの写真も持って」

まさひろ: 「僕が持ちます」

ハルナ: 「ふふ。それじゃあ行きましょ、3人で」

えみり: 「4人よ、ママ」

ハルナ: 「ああ、そうだったわね。

おめでとう。幸せになるのよ」

(※2人同時に言って笑う)

えみり: 「はい!」

まさひろ: 「はい!」

ハルナ: 少しだけ目立つようになったお腹をさすりながら

私とお婿さんに挟まれて、娘の笑顔は幸せに包まれていた。

ボイスドラマ〜Interior Dream
インテリアが家族の絆をつむぎだす・・・ハートフルな一話完結の物語を各前後編に分けてお送りします。(CV/ 男性役=日比野正裕、女性役=桑木栄美里)