
🐈️ Natsu選書 ˊˎ˗
『Humankind 希望の歴史 人類が善き未来をつくるための18章』
上・下巻 ルトガー・ブレグマン著(文藝春秋社)
ルトガー・ブレグマン著『ヒューマンカインド 希望の歴史』をめぐる第4回。
今回のテーマは「共感力のパラドックス、思いやりの力」。
わたしたちは、共感を“人間らしさ”の象徴として語ります。
ですが、ブレグマン氏はそこに潜む落とし穴を指摘します。共感はスポットライトのように一部を強く照らす一方で、その光が届かない場所を見えなくしてしまうことがあるのです。
被害者への共感が、知らぬうちに誰かを傷つける炎上を生み、身近な人への共感が、異なる文化を遠ざける偏見に変わることもある...
愛情ホルモン「オキシトシン」さえも、親しい人への絆を深めながら、見知らぬ人への嫌悪を高めてしまう作用を持っています。
共感は、人をつなぐ力であると同時に、分断を生む力でもある。
だからこそブレグマン氏は提案します。より良い世界をつくるのは、共感ではなく「思いやり」だと。
思いやりは、相手の痛みを“自分の痛み”として感じるのではなく「その人のために、今できることは何だろう」と行動に変えていく心の動き。
共感が感情に留まるのに対し、思いやりは実践へとつながります。
そしてその出発点は、問いかけること。
「あなたはどう感じているの?」
「どうしてほしい?」
そう尋ねることで、相手の声を奪わずに、ほんとうの優しさを形にできる。
このエピソードでは、共感と思いやりの違いを軸に、わたしたちが日々どんな“心の使い方”をしているのかを見つめ直します。
人との関係をやさしく整えるヒントが詰まった回です。
・・・
【わたしから小さく始める世界平和 - naha 🕊️🌏️】