
🐈️ Natsu選書 ˊˎ˗
『Humankind 希望の歴史 人類が善き未来をつくるための18章』
上・下巻 ルトガー・ブレグマン著(文藝春秋社)
『ヒューマンカインド 希望の歴史』を読み解くシリーズ、最終回。
私たちが暮らす多くの社会システム...学校、会社、政治、サービスが、「人は怠ける」「ズルをする」「管理しなければ動かない」という前提の上に築かれているという現実。
監視や罰則、目標管理といった仕組みが「人を正す」ために設けられている一方、そこには“人間を信頼しない構造”が根づいています。
もしもこの前提そのものを変えたら、社会はどう変わるのか?
ブレグマン氏は実際に世界各地の成功例を紹介しています。
ノルウェーの刑務所に見る「人間的扱い」の力
受刑者一人ひとりに個室があり、キッチンや音楽スタジオまで備えられている刑務所のケース。
厳重な監視ではなく、尊厳を守る「人としての扱い」を徹底しているのが特徴です。その結果、釈放から2年以内の再犯率はわずか20%。アメリカの60%と比べても圧倒的に低く、「人を人間として扱えば、人は人間らしく振る舞う」という理念が数字として証明されています。
ブレグマン氏はこの本で、「人間を信頼する生き方」のための10の指針を提示しています。
疑うよりも、まず最善を想定しよう。
すべての関係をウィン・ウィンで考えよう。
もっとたくさん質問しよう。
共感より、思いやりを育てよう。
同意できなくても、理解しようと努めよう。
他人を愛するように、自分も愛そう。
ニュースから少し離れてみよう。
憎しみではなく、学びで過去を見つめよう。
善意を隠さずに表へ出そう。
現実的でありながら、希望を持とう。
これらのルールは理想論ではなく、実際に世界を変えつつある人々の生き方から生まれたもの。
人を信じるということは、単なる優しさではなく、未来を選び取る力です。
信頼のある社会は、効率ではなく安心を、競争ではなくつながりを育てていく。
この5回のシリーズを通して、誰かを信じる視点が少しでも増えたなら、それはすでに新しい人間観が芽生え始めている証です🌱
ぜひ、本も読んでみてくださいね!
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【わたしから小さく始める世界平和 - naha 🕊️🌏️】