
診断における不公平性(患者の社会的アイデンティティ、例えば人種や民族グループ、ジェンダーに関連した診断エラーの不均衡な負担)は、診断の質と患者の安全性を脅かす重要な問題として認識されています。
医学教育は、この診断の公平性を推進するための重要な手段であり、臨床および研究分野における改善と連携させる必要があります。診断の公平性を支援する教育モデルには、個人内、対人関係、システム、構造の各レベルでの介入を含めるべきだと提唱されています。
具体的には、診断の不公平性に関する知識の伝達、診断を文脈的かつ協働的なプロセスとして捉えること、暗黙の偏見(implicit bias)の認識と管理(IBRM)訓練を含む公平な診断的コミュニケーションの機会の創出などが重要とされています。また、人種を生物学から切り離して社会構築物として理解することや、構造的コンピテンシー(社会・構造的要因を考慮する能力)を組み込むことも強調されています。
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この論文が示す教育の方向性は、まるで、これまでの診断プロセスという名の地図に、見落とされがちだった「社会的な地形」や「歴史的な道筋」を重ね合わせるようなものです。地形を理解することで、なぜ一部の住民だけが道に迷いやすいのか、その根本原因が見えてくる。それによって、私たちは初めて、患者さん全員を目的地(正確な診断)まで安全に導けるようになるのです。
Connor DM, Lypson ML, Gonzalez CM. Advancing Diagnostic Excellence through Medical Education in Diagnostic Equity. N Engl J Med 2025;393:1202-14.
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