
今回のテーマは「メタボ肝臓病」に名前が変わった、代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)です。単なる脂肪肝と捉えがちですが、世界中の成人の最大38%が罹患する最も一般的な慢性肝疾患であり、その病態は肝臓に留まらない「多臓器疾患」として認識されています。
代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)は、世界的に公衆衛生上の大きな課題となっています。これは肝疾患に留まらず、心血管疾患、慢性腎臓病、2型糖尿病など、肝臓外の合併症リスクを高める多臓器疾患です。特に2型糖尿病患者においては、MASLDの有病率は65%に達します。
診断においては、FIB-4指数を用いたリスク層別化が、プライマリ・ケア医や専門医によって推奨されています。
治療では生活習慣の改善が基礎となりますが、近年、非肝硬変性のMASH(代謝機能障害関連脂肪性肝炎)と線維化に対する初の承認薬(レスメチロム)や、セマグルチドなどのインクレチンベースの薬剤が、肝機能および併存する心腎代謝性疾患の改善に有望であることが示されています。
Targher G, Valenti L, Byrne CD. Metabolic Dysfunction–Associated Steatotic Liver Disease. N Engl J Med. 2025;393(7):683-98.
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