
今回は、日常診療で頻繁に処方される「抗うつ薬」の身体的な副作用について、2025年のThe Lancet誌に掲載された大規模なネットワークメタ解析の結果をご紹介します。精神症状への効果だけでなく、体重や血圧、代謝項目への影響を考慮した薬剤選択について、最新のエビデンスを一緒に学びましょう。
本研究は、30種類の抗うつ薬を用いた151のランダム化比較試験(参加者58,534人)を対象としたネットワークメタ解析です。
解析の結果、抗うつ薬間で体重、心拍数、血圧、代謝パラメータへの影響に顕著な差異が認められました。例えば、
・agomelatineやbupropion等は体重減少と関連しましたが、maprotilineやamitriptylineなどは体重増加を示しました。
・nortriptyline等は心拍数や血圧を有意に上昇させる一方で、fluvoxamineは心拍数低下と関連していました。
・特筆すべきは、paroxetineなどが体重減少を示す一方でコレステロール値を上昇させるなど、体重変動と代謝変化が必ずしも相関しない点です。
著者は、これらの生理学的リスクの違いを考慮し、治療ガイドラインを更新すべきであると結論付けています。
Pillinger T, Arumuham A, McCutcheon RA, D'Ambrosio E, Basdanis G, Branco M, et al. The effects of antidepressants on cardiometabolic and other physiological parameters: a systematic review and network meta-analysis. Lancet. 2025;406:2063-77.
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