サウナじゃないのに、毎朝“ととのう”建築。そんな空間をつくっていたのが、あのコルビュジエでした。
人生の終盤、彼が毎年のように通い詰めていたのは、南フランスの海辺に建てたたった8畳ほどの小屋。毎朝、目の前の海に飛び込み、自然のなかで身体を目覚めさせてから、執筆や読書に没頭する——まるで“整える”ためにデザインされたような、暮らしと空間の密度。
シリーズ第1回では、この小屋の構造と、「すべてが手の届く距離にある」空間の魅力についてお話します。