
2025年12月21日 待降節第4主日
説教題:あの夜、輝く星が示したように
聖書: マタイによる福音書 2:1–12、創世記 1:14–19、詩編 100、ヘブライ人への手紙 1:1–4
説教者:稲葉基嗣
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古代の人々にとって、夜空の月や星は、様々なことを教えてくれました。旅人たちにとって、夜空の星は方角を知る上で重要なしるしでした。また、星の動きは月や太陽と共に、時間の流れを教えてくれました。きっと現代に生きる私たちよりも、星の動きが日常に与える影響に対して、古代の人々はより敏感であったと思います。夜空の星が人々の日常に大きな影響があると考えたからこそ、占星術の専門家たちが古代世界には存在しました。彼らは星を観察し、様々な文献を紐解きながら、星の位置を解釈しました。星の動きや配置が、自分たちや国の運命を伝えると、彼らは考え、研究をしました。こういった占星術が盛んに行われていた地域から、1,400km以上もの旅をして、占星術の学者たちはユダヤにまでやって来ました。なぜ彼らはユダヤ人の王の誕生をお祝いしに行ったのでしょうか。小国の王の誕生のお祝いに、片道1ヶ月半以上の時間や旅のために必要な財力を費やそうとするでしょうか。きっとユダヤの王の誕生を知らせる星の輝きやその星の配置が、彼らの探究心を刺激するような、とても目立つものだったのでしょう。この星の輝きの意味を知るために、彼らはユダヤの新しい王に会わなければいけないと思ったのでしょう。古代の人々にとって、王の誕生は時代の移り変わりを示すものでした。ユダヤ人という力のない、目立たない人たちの王として生まれてくる子ども。そんな子どもが、もしも時代の移り変わりを示すのであれば、驚くべきことです。事実、博士たちがこの時に出会った、主イエスの誕生は、大きな時代の変化でした。でも、それはわかりやすく見える形で訪れたものではありませんでした。神の子であるイエスさまが人となって、私たち人間の間で生活をしました。それは、イエスさまのそのような姿を通して、神が私たちといつも共にいることを神が教えるために、神の側が引き起こした変化でした。遠くの方で輝く星のように、神は遠い場所にいる方ではありません。イエス・キリストの誕生を通して、神が明らかにしたのは、神が私たちと共にいるということです。神が私たちのことを遠くから眺めているのではなく、近くで、一緒にいてくださる。神は人生のあらゆる瞬間を分かち合ってくださる。喜ばしい時も、苦しい時も。そんな私たちやこの世界の傷ついている部分に目を向ける度に、私たちは思い起こしたいと思います。神が共にいて、私たちの暗い部分を照らすために、主イエスは来てくださいました。