美術館に飾られる作品こそがアート、その常識を、真正面から否定したのがジャン・デュビュッフェでした。一見すると「下手」としか思えない彼の絵は、「これはアートではない」と批判されるほどでしたが、本人はそれを最大の賛辞として喜んだと言います。なぜ彼は王道の美術を嫌い、精神病院で生まれた表現やアウトサイダーの作品に価値を見出したのか。ワイン商人という異色の経歴から、酷評と成功が同時に訪れた逆説的な評価まで、デュビュッフェが現代美術に残した決定的な問いをひも解きます。