
教科書レベルの世界史(通史)が1日5分、ながら聞きで学べます。第163回目は「明その8」【オリジナル基本文】⇒【補足解説】の順に進めます。
◇オリジナル基本
巨万の富を築いたのが、徽州商人(新安商人)や山西商人といった特権商人で、彼らは全国にネットワークを広げ、都市には同郷や同業者の互助組織である会館・公所を建設し、ビジネスの拠点とした。銀が社会に浸透したことで、明政府は複雑だった税制をシンプルに一本化する。一条鞭法と言い、それまで現物や労働で納めていた税を、すべて「銀」で一括納入させた。
繁栄の裏では深刻な格差が生まれ、官僚経験者などの有力者である郷紳(きょうしん)が地方社会で実権を握る。彼らは広大な土地を所有し、小作農である佃戸(でんこ)を支配した。銀による納税義務は、現金を持たない貧しい農民たちを苦しめ、耐えかねた佃戸たちは、地主に対して小作料の支払いを拒否する抗租運動(こうそうんどう)を各地で引き起こす。