
「明治おいしい牛乳 」や、NHKの「デザインあ」なども手掛けるグラフィックデザイナーの佐藤卓の言葉に仕事の取り組み方について考えさせられました
曰く
"自分が何をやりたいかではなくて、やりたいかではなくてやるべきこと。やるべきことを見極めていくっていうこと。
でもそれ分かってるんだけど、自我っていうのは出てくるんですよ。自我ってね、どうしても出てきますね。
で、それに気がついて、やっぱりそれはここではやるべきではないっていう判断を下さなければいけない。
自分に対して、こう厳しくなんなければいけないってことが、まああります。"
ここから私は思いました
1、自分軸と他人軸のバランス
2、イノベーターリップルモデルの中心はペイン
3、問題に恋する
佐藤さんのデザインされた商品は、どれも若い頃から目にしていたので、驚きと共に感動しました。また、若い頃はアーティストを目指されていたところから、デザイナーへ進むという転身の物語にも感動でした
1、自分軸と他人軸のバランス
このお話を聞いてまず思ったのは、自分軸と他人軸のバランスについてです。特にビジネスの世界では、これがとても悩ましいお話としてあると思います
自分軸は自らのやりたいこと、他人軸はお客様の実現したいこと、ビジネスマンとしてはこのバランスが微妙に取れていることが、とても大事だと思ってます
他人軸によりすぎちゃうと誰に頼んでもいい仕事になるし、自分軸によりすぎちゃうとお客様はどっかに行っちゃう、このバランスを取るのがビジネスマンとして生き生きと仕事ができるかどうかや、成果につながる働き方になると思います
佐藤さんのお話は、まさにこの二軸のベン図の真ん中のことをお話しされているのかもしれないなあと思いました
想像ですが、佐藤さんはアーティストを目指されていた方なので、特に自分軸としての想いがとても強い方だったのかと思います。それをデザイナーというお客様のご要望をいかに叶えるか、という他人軸もとても大事な役割になり悩まれたのかもしれないと思いました
それは、決して自分軸を諦めるということではなくて、他人軸からの要望を、自分軸の中で解釈して、お客様でさえ思ってなかった価値を作り出す、そこまで昇華しての上での話だと思いました
この自分軸と他人軸のバランスをいかに取るか、ここが素晴らしいデザイナーやビジネスマンに大切なことなのだなあと学ばせていただきました
2、イノベーターリップルモデルの中心はペイン
世の中にこれまでにない新しい価値を生み出す人は、皆、イノベーターと思っているのですが、そのイノベーターに共通してあるフレームを、リップルモデルといつもお話ししています
それは、自分の内部から出てくる抑えきれない''パッション"を、自分だけではできないことを"仲間"と共に、自分だけが嬉しい価値にとどまらないみんなが喜んでもらえる"大義"として育てていく、というモデルなのですが
そのパッションの源を発生させる根源には、誰かの"ペイン''があるという話をしています
今回の佐藤さんのお話の中での、やるべきこと、というのは、この"ペイン"を本当に和らげてあげることができるものは何なのか?という問いにも結びつく気がしました
他人軸であるお客様のペインを聞いて、自分軸の中でのパッションの源に火をつけて、その上で自分自身のパッションから出てきたやりたいことが、本当にお客様のペインに寄り添えているかをもう一度考えて検証みる、そんなプロセスなのかもしれないなあと思いました
3、問題に恋する
それはすなわち、以前もお話しした連続起業家であるユリ・レヴィーンが言われるところの、問題に恋する、ということにつながるのかもしれないなあと思いました
他人軸であるお客様のペインを、自分ごとのペインとして捉えられるようなところまで深く理解できれば、それは自らのパッションの源からの抑えられない思いとして、何とか解決したいという、自らのパッションとして、浮かび上がってくるのかもしれないなあと思いました
また、こちらも以前お話しした、BCGの秘伝のタレの一つ、"他者への貢献に対する強い想い"にも、とても合致してくることかもしれないなあとも思いました
ということで、今回の佐藤さんのお話は、デザイナーに限らず、ビジネスマンや誰かのために何らかの価値を作ろうとしている人たちに、とても大切なメッセージとメソッドだなあと思いました
一言で言えば
やりたいかではなく、やるべきことを見極めるノベーション
そんな話をしています^ ^
参考:NHK 最後の講義 デザイナー 佐藤卓 1月7日(水)午後10:00 https://www.web.nhk/tv/pl/series-tep-4N7KX1GKN7/ep/MJYK79J5QN