
1.論文のタイトルEffectiveness and tolerability of methylthioninium chloride (methylene blue) for the treatment of methemoglobinemia: twenty-four years of experience at a single poison center
2.CitationClinical Toxicology, 2025, DOI: 10.1080/15563650.2025.2470428
論文内容の要約
メトヘモグロビン血症の第一選択薬として広く使用されている塩化メチルチオニニウム(メチレンブルー)ですが、その有効性と安全性に関する大規模な臨床データは限られています。本研究は、ニューヨーク市毒物センターにおける2000年から2024年までの24年間の記録を遡及的に調査し、メチレンブルーを投与された185件の症例を分析しました。
主な原因物質は、揮発性亜硝酸塩(41%)、局所麻酔薬(15%)、およびダプソン(11%)でした。メチレンブルーの投与量は中央値で1 mg/kgであり、全体の98%の症例において臨床的な改善が認められました。大半の患者(89%)は単回の投与で改善しましたが、複数回の投与が行われた症例の多くはダプソンまたは揮発性亜硝酸塩の曝露に関連していました。特にダプソン曝露例では、その長い半減期と代謝特性により、29%の症例で追加投与が必要となりました。
副作用の報告は全体の4.9%(9件)に留まり、内容は悪心、嘔吐、注入部位の痛み、失神などでした。重大な副作用とされる溶血は1件のみ報告されています。グルコース-6-リン酸脱水素酵素(G6PD)欠損症については、検査が行われた7名のうち2名で欠損が確認されましたが、そのうち1名はメチレンブルー投与後に臨床的な改善を示しました。死亡例は2名確認されましたが、いずれも亜硝酸ナトリウムの摂取により病院到着時にすでに心肺停止状態であった症例でした。
結論として、メチルチオニニウム(メチレンブルー)はメトヘモグロビン血症に対して極めて有効かつ忍容性が高い治療薬であり、ほとんどの症例において1〜2 mg/kgの単回投与で十分な効果が得られることが示されました。