
1.論文のタイトルTreatment of Acute Circulatory Failure Based on Carbon Dioxide-Oxygen (CO2-O2) Derived Indices: The Lactel Randomized Multicenter Study
2.CitationCHEST. 2025; 167(4): 1068-1078.
論文内容の要約
集中治療室(ICU)における急性循環不全の治療において、二酸化炭素(CO2)と酸素(O2)の代謝に基づいた指標(CO2-O2由来指標)を用いた蘇生戦略の有効性を検証したランダム化比較試験の結果を報告する論文です。研究には、高乳酸血症を伴う急性循環不全の成人患者179名が参加し、標準治療群(90名)と、中心静脈血および動脈血ガス分析から算出される指標(P(v-a)CO2 gapやP(v-a)CO2/Ca-vO2比)を用いたアルゴリズム治療群(89名)に無作為に割り当てられました。
主要評価項目である「2時間以内での乳酸クリアランス10%以上の達成」については、標準治療群が50%であったのに対し、介入群は43.8%であり、統計的な有意差は認められませんでした。また、副次評価項目である臓器不全(SOFAスコア)の推移、ICUおよび病院の滞在期間、28日死亡率についても、両群間で有意な差は確認されませんでした。
治療内容の分析では、介入群において標準治療群よりも強心薬(ドブタミン)の使用頻度が高く、心係数がより早期に上昇したものの、それが乳酸値の改善や臨床的アウトカムの向上には結びつきませんでした。研究チームは、急性循環不全の初期段階における蘇生において、CO2-O2由来指標に基づいたアルゴリズムを用いても、標準治療と比較して組織の低灌流や予後を改善する効果は得られないと結論づけています。今後は、このアプローチから利益を得られる可能性のある特定の患者サブグループの特定が必要であるとしています。