2019年に「AIでノーベル賞を取る」と宣言して、本当に2024年に受賞してしまった天才がいます。Google DeepMindのデミス・ハサビスです。彼らが開発したAlphaFoldはタンパク質構造予測を革命的に変え、人類の科学を加速させました。でも、栄光の裏で激しい戦いが始まっていました。ChatGPTの登場で世界が変わり、「科学のための研究」と「ビジネスのための開発」の間で、この天才集団は今、究極の選択を迫られています。
Nature News
Google DeepMind won a Nobel prize for AI: can it produce the next big breakthrough?
「科学に国境はない」と言われてきたのは過去の話かもしれません。2億4000万件の論文データが明かす衝撃の事実。2000年代から急速に深まっていたアメリカと中国の科学協力が、2019年を境に突然"逆回転"を始めていた。50年分のデータで読み解く、科学の世界に引かれた見えない国境線。これは一時的な冷却期間なのか、それとも科学界の「新冷戦」の始まりなのか。
Humanities and Social Sciences Communications
The altering landscape of US–China science collaboration: from convergence to divergence
AIは犬と猫の違いは分かっても、「どっちも動物」という当たり前のことを理解していなかった?Nature誌掲載の最新研究が明かす、AIの意外な弱点とは。研究者たちが「人間の常識」をAIに教え込んだところ、予想外の結果が。人間らしくなったAIは、実用性能まで劇的に向上してしまったのです。あなたの冷蔵庫が「あれ取って」を理解する日も近いかも?
Nature
Aligning machine and human visual representations across abstraction levels
東南アジア最大の湖が「呼吸」を止めようとしています。毎年水が逆流して6倍に膨れ上がるという奇跡の湖、トンレサップ湖で何が起きているのか。犯人は気候変動でもダムでもなく、まさかの「砂」でした。私たちが使うコンクリートが、遠く離れた国で200万人の生活を奪い、巨大な湖を殺しつつある衝撃の真実。川底で起きている見えない変化が、どうやって生態系全体を崩壊させるのか、最新の科学が解き明かします。
Nature sustainability
Sand-mining-driven reduction in Tonle Sap Lake’s critical flood pulse
各国が報告する「ゴミ埋立地からのメタン排出量」、実は誰も測ってなかったって知ってました?全部計算値だったんです。そこで人工衛星を使って世界6大陸151か所を実測したら、報告値との相関係数はなんと0.03。つまり完全にバラバラ。気候変動対策の大前提が崩れる衝撃の研究を、ナオト博士が分かりやすく解説します。
Nature
Global satellite survey reveals uncertainty in landfill methane emissions
植物が光合成する時、実はごく微弱な光を放出しているって知ってましたか?2022年に打ち上げられた中国の句芒衛星は、この「植物のささやき」を従来の10分の1という超高解像度で捉えることに成功しました。東京ドームのナイター照明の隣でマッチ一本の光を見つけるような技術で、地球の「呼吸」が見えるようになった最前線をお届けします。
Geophysical Research Letters
野菜を食べる、運動する、禁煙する──健康のためにやるべきことは分かっています。でも「選挙に行く」が健康に関係するって、考えたことありますか?フィンランドの研究者たちが21年かけて発見したのは、投票行動が学歴よりも強く死亡リスクと関連しているという衝撃の事実でした。そこに隠された「社会参加と長寿」の秘密を、徹底解説します。
Journal of Epidemiology & Community Health
歯医者さんの「キーーン」という音、誰もが恐れるあの削る治療が、もしかしたら過去のものになるかもしれません。イギリスの研究チームが、塗るだけで歯のエナメル質を再生させる驚きのジェルを開発しました。硬さは天然の歯の約90%まで回復、長期間の咀嚼にも耐える耐久性を実現したこの技術の裏には、自然のタンパク質を模倣した巧妙な仕組みがありました。
Nature communications
Biomimetic supramolecular protein matrix restores structure and properties of human dental enamel
金属とバクテリア。普通なら絶対に組み合わせないこの二つが出会ったとき、エレクトロニクスの常識が覆りました。液体金属の最大の弱点「酸化膜問題」を、まさかのバクテリアが解決。しかも発芽すると小さな発電機になり、材料の導電性が銅や銀レベルまで上昇します。ウェアラブルデバイスから医療インプラントまで、この「生きた金属」が拓く未来を、ナオト博士が分かりやすく、そしてちょっと興奮気味に語ります。次世代のノーベル賞候補、見逃すな。
Advanced Functional Materials
「薄いプレートは弱い」という地球科学の常識が、東アフリカで見事に覆されました。Nature掲載の最新研究が明らかにしたのは、過去に「乾燥」した岩盤は薄くても強いという驚きの事実。せんべいとカステラ、どちらが割れやすいか?この身近な問いから始まる、地球史の新発見を10分で。教科書が書き換わる瞬間に立ち会ってください。
Nature
The importance of past rifting in large igneous province development
Youtube 「ナオト博士の地球まる見え」の登録はこちら
オープンチャット「ナオト博士の研究室」への参加はこちら
あなたが毎日吸っている空気、実は「重さ」だけでは測れない危険が潜んでいるかもしれません。Nature誌に掲載されたヨーロッパ43地点・11,500サンプルの大規模研究が、同じPM2.5濃度でも場所によって毒性が最大3倍も違うことを発見しました。特に幹線道路沿いに住んでいる人は要注意です。今回は、従来の環境基準では見逃されてきた「空気の質」という新概念と、私たちの健康を守るために何が必要かを徹底解説します。
Nature
Oxidative potential of atmospheric particles in Europe and exposure scenarios
「火山の心臓部」を、まるでレントゲン写真のように透視する——それを可能にしたのは、わずか30グラムの超高精度磁気センサーを積んだドローンでした。2022年と2024年の「時間差攻撃」で、溶岩の冷却プロセスを可視化し、さらに人工衛星データとの合わせ技で「マグマが好んで通る道」まで特定。火山学に「4D」という新次元をもたらした画期的研究を、ワクワクする物語仕立てでお届けします。
Earth, Planets and Space
今あなたが使っているインターネット回線、その海底ケーブルが実は地球温暖化を監視する最強センサーになるかもしれません。カリブ海のグアドループで、研究者たちは通信ケーブルにレーザーを流すだけで、海底の温度を0.1℃の精度で3年間測り続け、サンゴの30%を死滅させた1.5℃の海洋熱波を検出することに成功しました。新しいセンサーを作るのではなく、世界中に150万キロも敷かれている既存インフラを賢く使う、この画期的な発想がどう地球を変えるのか、最新研究から紐解きます。
Geophysical Research Letters
Youtube short『ナオト博士の地球まる見え』を明日から配信スタートします!60秒で地球の科学を楽しめる縦型動画です。 ぜひチャンネル登録してください。Podcastは今まで通り平日毎日配信。両方楽しんでいただけると嬉しいです。
インド洋には海面が106メートルも低くなる「重力の穴」がある。1948年の発見以来、誰も解けなかったこの謎を、インドの研究チームがついに解明した。彼らはスーパーコンピューターで1億4000万年前からの地球の歴史を再現し、古代テチス海のプレートが沈み込み、マントルの底で熱い巨大領域を揺さぶり、プルームを発生させるまでの壮大なプロセスを突き止めた。地球が生きているシステムであることを実感させる、時空を超えた科学ミステリー。
Geophysical Research Letters
「年を取ったら物忘れするのは仕方ない」は本当でしょうか?ノースウェスタン大学が25年間かけて発見したのは、80歳を超えても50代並みの記憶力を持つ「スーパーエイジャー」という人たちの存在でした。しかも彼らの脳を解剖して調べたところ、一般的な高齢者とは細胞レベルで違っていたんです。「脳にゴミが溜まっても記憶が衰えない人」がいる理由、前帯状皮質が若者より厚い謎、そして私たちが今からできることまで、希望に満ちた老化研究の最前線をお届けします。
Alzheimer's & Dementia
The first 25 years of the Northwestern University SuperAging Program
体長わずか数ミリのアリが、私たち人間より先に「建築で病気を防ぐ」という戦略を編み出していました。イギリスの研究チームが2025年に科学誌Scienceで発表したこの驚愕の研究は、アリが病原体を検知すると巣の構造そのものを変えて感染拡大を防ぐ「建築的免疫」を世界で初めて証明したものです。マイクロCTスキャンとコンピューターシミュレーションで解き明かされたアリの都市計画術は、私たちの未来の都市設計にも革命を起こすかもしれません。小さな建築家たちが数百万年かけて獲得した知恵を、今日は一緒に探検しましょう。
Science
Architectural immunity: Ants alter their nest networks to prevent epidemics
世界最高級コーヒー「コピ・ルアク」は、ジャコウネコのフンから取り出した豆で作られ、1杯最高11,000円もします。「動物のうんちを通過しただけで味が変わるわけない」と思いますよね?ところが2025年、インドの研究チームがガスクロマトグラフィー質量分析という最新技術で徹底比較したところ、風味成分が普通の豆の10倍以上も含まれていることが判明しました。ジャコウネコの消化管は天然の発酵タンクだった。
Scientific Reports
Civet Robusta and natural Robusta coffee are different on key fatty acid methyl esters and total fat
天王星の衛星で海があるのは大きなタイタニアやオベロンだと思われていましたが、最新研究でその常識が完全に覆されました。小さなミランダやアリエルこそが、今まさに液体の海を持ち、「自己調整共鳴」という驚くべき仕組みで何億年も海を維持している可能性が示されたのです。まるで生き物のように自分で温度を調整する海の秘密と、地球外生命の可能性について、632万通りの計算から導かれた新発見をお届けします。
Geophysical Research Letters
Ocean Worlds Maintained by Ocean Tidal Heat Expected on Several Uranian Moons
骨のない、グニャグニャのタコ。でも彼らは這うとき、腕に「一時的な関節」を作り出していました。しかも平均3本の腕で体を支え、使う順番にもリズムがある──。Nature誌に掲載されたこの研究は、史上初めて深海の野生環境で、タコの動きを3Dで定量測定したもの。「本物を見ずにタコ型ロボットを作ろうとしていた」工学者たちに衝撃を与えた、革命的な発見を解説します。
Nature
In situ light-field imaging of octopus locomotion reveals simplified control